不特定多数の人が住む家のキッチンに水切りカゴは必要か?【シェアハウスとソーシャルアパートメントの違い】
ねこさんのブログにあるこのイベントに参加してきたのです。
【経歴】
僕はソーシャルアパートメントを40物件弱、約2000部屋を開発・運営している会社の中で、運営の中心的な立場で仕事をしています。これまでソーシャルアパートメントの立ち上げは20物件以上行ってきました。また、僕自身も2つのソーシャルアパートメントに住んで計4年が経とうとしています。
ソーシャルアパートメントって何?という方に、一応、公式サイト載せておきますw
ということで、何から話そうかなーと思ったけれどやはりこれ。
「不特定多数が住む家のキッチンに水切りカゴは必要か?」
え?
みたいな。
詳しく説明していきます。
【目次】
1.【ソーシャルアパートメントとシェアハウスの違い】
2.【シェアハウスの運営とソーシャルアパートメントの運営】
3.【で、それで具体的に何が違うの?】
4.【だからと言って、一般的なシェアハウスが悪いと言っているのではない】
5.【予告】次の記事のタイトル「『僕らはビジネスで人を一番幸せにできるのではないか』と思っています。-ハーバードの研究とマズローの欲求6段階説-
【ソーシャルアパートメントとシェアハウスの違い】
その前にまず、ソーシャルアパートメントはシェアハウスではないのです。正確には。
え?でっかいシェアハウスでしょ?みたいな人が大半かと思うのですが、僕らが目指しているのは、隣人交流型マンションでなのです。
つまり、「建物の中で交流が生まれやすい仕組みがいっぱい含まれてるマンション」です。
※この前答えたインタビュー記事貼ります。
その違いについて、運営者ならではの観点で少し書きたいと思います。
もっと全体的な説明に関しては、いろんな良記事が既にあるので、下記に参考記事を転載です。
1.実はだいぶ前に元住人のスクールウィズ太田さんがそれについては記事を書いてくれてます。
いま話題のソーシャルアパートメントとシェアハウスの違いをポイント10個で解説!! | サムライバックパッカー・世界一周をした若き起業家のメモ
2.我らの社長も話しています。
3.THE STARTUPの梅木さんも!
4.今も同じ住人のねずっちも!
上記の記事では、シェアハウスって言い切っている記事もあるのだけれども、僕らが目指しているのは正確には「隣人と交流ができるマンション」です!(ここは強調!)
じゃあ、シェアハウスって何?って話なんだけども、それはシェアハウスの定義によるから、その人の捉え方次第なのです。
5〜6人で一軒家に住むというシェアハウスもあれば、40〜50人で住むというシェアハウスもあるので。
ただ、いわゆるそんなシェアハウスとの明確な違いを、運営という観点から少し書きたいと思います!
【シェアハウスの運営とソーシャルアパートメントの運営】
これは、結論から言うと、「共有」か「共用」かの違いが大きいと思うのです。
a.シェアハウスはお金を出し合ってスペースの共有をする。
b.ソーシャルアパートメントは、交流が生まれるような共用スペースを利用する権利がある。
a.シェアハウスのシェアの部分は共有空間。
b.ソーシャルアパートメントのシェアの部分は、マンションのエレベーター等と同じ共用空間。
というところが大きな違いかな、と思います。
つまり、それってどーゆーことだってばよ??
ってなると思います。
簡単に言うと、スペースの主導権が借り手にあるか、貸し手にあるか、ということなのです。
前者の場合、空間の利用ルールは住民たちの自治で決めます。お掃除当番とか家具の提供とかですね。
後者の場合は、空間は運営者が管理をします。例えば、一般的なマンションのエレベーターを自分で掃除したり、自分の好きなポスター貼ったり、椅子を置いたりしないですよね?それは共用空間だからなのです。
【で、それで具体的に何が違うの?】
ここで、最初のタイトルの「不特定多数の人が住む家のキッチンに水切りカゴは必要か?」に戻ります。
一人暮らしにおいては食器の水切りカゴってあったら便利ですよね。
でも、文化も育ち方も価値観も違う不特定多数の人たちが住む家にとって、水切りカゴがあるとどうなるか?
答えは、常に食器が棚に戻されずに水切りカゴに放置される状態が、常態化するのです。
こんな感じになります。
たまたまマナーが良い人たちが集まっていて、そんな事も起きない時期もあるけれども、人が入れ替わるうちに必ずそうなってしまうのです。
で、シェアハウスですと基本的に水切りカゴがほぼ95%くらいの確率で置いてあって、そしてだいたいがこうなります。
でも、便利だから置いてあります。
だが、しかーし!ソーシャルアパートメントでは水切りカゴは置かないので基本的にはそうなりません。
一見、短期的には便利に見える水切りカゴも、長期的な住環境の維持という観点ではネガティヴに働く。
「共用」のエリアを運営している僕らは常に「いかに自然な形で快適な住環境が維持できるか」を追求し、常に全住人の最大公約数を探しています。
だからこそ、一般的なシェアハウスと比べ、明らかに異なるレベルで住環境のクオリティを維持しています。
でも、反面、不自由さもあります。
運営管理を生活している住人の自治に任せないという事は、基本的に私物の提供は認めません。
例えば「共用ラウンジが乾燥気味だから、みんなでお金を出し合って加湿器買って置こう」みたいな事はNGなのです。
短期的には、それは明らかに良い事なのですが、それを認めてしまうと際限なく物が増え続けてしまいます。
具体的には、こうなります。
引用元: http://goo.gl/7RT6mn
こうなることがわかっているので、僕らは共用空間をしっかり管理をするのです。
特にソーシャルアパートメントでは、建物清掃スタッフも、管理人的に巡回しているスタッフも全てを内製化しています。それは、ソーシャルアパートメントの運営に全力を出しているからです。
【だからと言って、一般的なシェアハウスが悪いと言っているのではない】
自分で言うのもアレですが、僕らが頑張っているのは置いといて。
別にシェアハウスが悪いと言っているわけでないのです。
シェアハウスの共有空間の管理で生じる困難は、住人間のコミュニケーションをより活性化させます。困難があるから、トラブルがあるから、不便だからこそ、住人同士が話し合って、みんなで問題を解決します。
なので、それが上手くいったシェアハウスは、より強い絆で結ばれ、本当に楽しい暮らしが生まれるのだと思います。
これも多様な人たちと一緒に暮らす醍醐味だとも思うのです。
以上、今回は運営する側の視点ということで書いてみました。
ただ、全体的なお話として、あくまでシェアハウスであっても、ソーシャルアパートメントであっても僕はどちらも人にお勧めします。一人暮らしよりも、どちらもとても良い!両者とも、それぞれでとても良いものがあるし、でも究極的には行き着く先は同じかなとも思います。
その理由は次くらいの記事で書きます。
次の記事のタイトルは、
「僕らはビジネスで人を一番幸せにできるのではないか」と思っています。
-ハーバードの研究とマズローの欲求6段階説-
です。
※結論部分で、たまたま全く同じことを思っている記事がnewspicksにありました。
コンセプト型シェアハウスのcolish小原さんが、全く同じこと言っていたので載せておきます。
colishも良いですよね〜。ぶっちゃけ僕も住んでみたいやつ結構あります。やっぱり審査で落とされるのかな・・・とか思ったり思わなかったり。
でも、僕がいる会社は10年前からソーシャルアパートメントをやってますが、ソーシャルメディアが本格的に台頭してからのここ数年で、いろんな形の新しい暮らし方の提案が本当に増えてきたなーと感じていて個人的にはとても嬉しく感じています。
でも、このようなコミュニティのある暮らし方にはもう一歩先がある気がしていて、それを描きたいと思うのも個人的な願望です。
※上記記事では「僕ら」という一人称を使っていますが、このブログはあくまで僕個人の発言と想いです!会社は何も関係ありません。
PS:誰かはてぶろのカスタマイズ教えてください・・・。HTMLもわからんとです・・・。